コラム

第二新卒は何を評価されるのか

経験が2年しかない。実績と呼べるものがない。そう思って、転職を考えることをためらう人は少なくありません。

ただ、第二新卒の採用では、経験の量とは別の軸で評価が行われています。

その軸を知らないまま「自分には無理だ」と判断してしまうのは、情報が足りていないだけの可能性があります。

この記事では、企業側が何を見ているのかを整理します。

第二新卒とは誰か

まず、定義を確認します。

実は、第二新卒には法律上の定義がありません。企業や求人によって、指す範囲が異なります。

一般的に使われているのは、次のような範囲です。

・学校卒業後に就職し、おおむね3年以内

・年齢では20代前半から半ば

・正社員としての就業経験がある

ここで注意したいのは、「第二新卒歓迎」と書かれていても、企業が想定している層は同じではないという点です。

卒業後1年以内を想定している場合もあれば、20代であれば広く受け入れる場合もあります。

そのため、求人票の「第二新卒歓迎」だけで自分が対象かどうかを判断するのは難しくなります。

必須要件の欄に書かれている経験年数をあわせて確認してください。

企業が採用する理由

なぜ企業は、経験の浅い層を採用するのでしょうか。

理由を知ると、何を見られているかも見えてきます。

【1】基本的な社会人経験がある

新卒採用では、ビジネスマナーや基本的な業務の進め方から教える必要があります。一度就業経験があれば、この部分の教育コストが下がります。

メールの書き方、報告の仕方、締め切りの守り方。本人にとっては当たり前でも、企業から見れば前提が揃っている状態です。

【2】通年で採用できる

新卒採用は時期が決まっています。一方、第二新卒は必要なタイミングで採用できます。欠員が出た場合や、事業拡大に合わせた採用がしやすくなります。

【3】育成を前提にできる

経験者採用では、即戦力として現在のスキルが評価されます。

第二新卒では、入社後に育てることを前提とした採用が行われます。

そのため、現時点でできることより、これから伸びるかどうかが重視されます。

この3つ目が、評価軸の違いを生んでいます。

新卒・中途との違い

3つの採用を並べると、見られているものの違いが分かります。

新卒

第二新卒

経験者採用

主な評価

ポテンシャル

ポテンシャル+基礎

経験者採用

教育前提

あり

あり

少ない

選考の焦点

人物像

人物像+理由

再現性

第二新卒の位置づけは、その中間です。新卒と同じくポテンシャルを見られますが、新卒とは違い、「一度選んだ結果」があります。

そのため、次の点が加わります。

・なぜ前の環境を選んだのか

・そこで何を経験したのか

・なぜ次に移ろうとしているのか

ここが説明できるかどうかが、新卒採用との最大の違いです。経験が浅いこと自体は、前提として織り込まれています。

問われているのは、その期間をどう捉えているかです。

実際に見られる4点

選考で確認されているのは、おおむね次の4つです。

【1】基礎的な業務遂行力

特別なスキルではありません。

・報告や連絡が適切にできるか

・締め切りを意識して動けるか

・分からないことを質問できるか

短い期間でも、就業していれば身についているものです。「当たり前」だと思って書かない人が多い部分でもあります。

【2】学んだことを言語化できるか

経験の長さより、その経験から何を得たかを説明できるかが見られます。

・どんな業務を担当したか

・そこで工夫したことは何か

・結果としてどう変わったか

規模の大小は問われません。自分の行動と結果を結びつけて話せるかどうかです。

【3】次の環境で続けられるか

採用する側が最も気にしている点です。

早期離職の経験がある場合、「また同じことが起きないか」が確認されます。

ここで有効なのは、反省の表明ではありません。次の環境で何が違うのかを、条件として説明することです。

【4】仕事に対する考え方

どういう働き方をしたいのか。何を大事にしているのか。ここに一貫性があるかどうかが見られます。

 

前職を選んだ理由と、次に求めるものがまったく無関係だと、説明が難しくなります。

評価されにくい場合

一方で、第二新卒として評価されにくくなる場合もあります。先に書いておきます。

【就業期間が極端に短い場合】

数ヶ月での離職が複数回続いている場合、定着への懸念が強く出ます。

この場合は、期間の短さを説明するより、その間に何をしていたかを整理するほうが有効です。

【転職理由が説明できない場合】

「なんとなく合わなかった」で止まっていると、次の環境で何が変わるのかを示せません。

合わなかった理由を、条件の形にしておく必要があります。

【専門職への転換を目指す場合】

第二新卒枠は、未経験からの転換に開かれている一方、高度な専門性を求める職種では経験者採用の枠しかないことがあります。

この場合、第二新卒であることは有利に働きません。必要な経験を積む順序を考える必要があります。

【年齢が第二新卒の想定から外れる場合】

20代後半以降になると、多くの求人で経験者採用の枠に移ります。

評価軸が「可能性」から「実績」へ移るため、早い段階で動くほうが選択肢は多く残ります。

今からできる準備

選考の前に、整理しておきたいことが2つあります。

【1】経験を分解して書き出す

「特別な経験がない」と感じる場合、経験がないのではなく、分解していないことがほとんどです。次の4項目で書き出してください。

・誰に対して

・何を

・どう工夫して

・結果どうなったか

成果の大きさは問われていません。

自分の行動と結果を結びつけられるかどうかです。

【2】転職理由を条件に置き換える

不満のままでは、次を選ぶ基準になりません。

【不満】

・仕事内容が合わなかった

    ↓

【条件】

・どんな業務を担当したいのか

・どんな体制、どんな規模の組織が合うのか

この作業をすると、転職ではなく異動で解決できるものが混ざっていることに気づく場合もあります。

 

まとめ

・第二新卒に法律上の定義はなく、企業ごとに想定範囲が異なる

・経験の浅さは前提として織り込まれている

・見られているのは、基礎力・言語化・定着・考え方の4点

・就業期間が極端に短い場合や、専門職転換では評価軸が変わる

・経験は「誰に・何を・どう工夫して・結果どうなったか」で分解する

・転職理由は、不満のままでは使えない。条件に置き換える